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地質観察の旅

玄武岩自然保留区

澎湖列島は百近い大小さまざまな島嶼から構成されています。花嶼を除いた島の岩質は全て、数層の玄武岩溶岩と玄武岩層に挟まれた沈積岩によって構成されています。列島の總面積は127平方キロですが、その独特な玄武岩の自然景観は台湾本島にはない美しさを擁します。地質学者によると、澎湖列島の玄武岩はいくつもの不連続な火山活動の結果、浅瀬あるいは地下の裂け目から流出した溶岩が冷却してできたものです。現在知られている最古の望安玄武岩は、約1740万年前に流出した火山溶岩です。その後、1,200万年ごとに火山活動が繰り返され、約820万年前に東嶼坪の玄武岩が形成された後は火山活動が停止しています。

 

澎湖列島の玄武岩溶岩は冷却後に垂直の柱状節理を形成しやすく、これが長年の風化と浸食により、石柱が林立したものや、高く直立に聳えたもの、歪曲して傾斜したものなど、千差万別の地質景観となります。著名な台湾大学地理学部の王鑫教授によると、「澎湖列島の玄武岩保留区は北アイルランドの玄武岩地形と遜色ない景観」ということです。

 

海洋の地殻から流出した玄武岩溶岩は火山岩の一種で、溶岩が地表に流出し、急速に冷却され、収縮亀裂が起こると、五、六角形の柱状体になります。この現象を「節理」と呼びます。節理の構造は変化に富んでおり、澎湖玄武岩の最も特色ある自然景観と言えます。

 

緻密な地質の玄武岩は通常灰褐色ですが、岩に含まれる鉱物の成分によって色の濃さが異なります。また、溶岩が冷却する時に気体の散失が遅れると、気孔が形成され、いわゆる多孔状玄武岩となります。澎湖文石はこの種の玄武岩で発育します。

錠鉤嶼

錠鉤嶼

錠鉤嶼は鶏善嶼の東南方約1キロに位置し、四つの玄武岩礁で構成されています。全島が緻密な玄武岩で構成されており、岩石内には橄欖(かんらん)岩の塊が多く含まれます。また、地表に流出した溶岩の位置により、冷却後には様々な方向に向かって柱状節理が形成され、独特な景観となります。錠鉤嶼の地勢は起伏に富み、風化と海蝕作用により海蝕柱が発達し、海蝕柱の間に空が一筋覗ける「一線天」のような奇観も見られます。

 

これら多様な海蝕地形は桂林の山水を彷彿させます。また、島の周辺海域は流れが速く、断崖絶壁も多いため、人を寄せつけません。毎年4~9月には各種アジサシがここで繁殖するため、壮観な眺めとなります。

小白沙嶼

小白沙嶼

小白沙嶼は島の北方約1キロの海域に位置し、西南に白いビーチがあるため、この名前が付けられています。西南方向から海上を望むと、島の形が猫に似ているので、付近住民には「猫嶼」とも呼ばれています。本島南部の溶岩台地は高さ約15~20メートルで、東から南に向かって約250メートル延びています。発達した玄武岩状節理は壮大な眺めを作り出します。

東側の海蝕台地には長さ約50メートルの玄武岩質岩脈があり、付近には半円形の火山口に似た地形もあります。ビーチには隆起した灘岩があり、一部節理は豆腐状で、近くに散布している壺穴と面白い対比を生み出しています。本島は柱状玄武岩が特殊な景観をなしており、玄武岩自然保留区に定められています。

鶏善嶼

鶏善嶼

鶏善嶼は湖西郷北寮村の東北方約4キロの海上に位置します。本島は元々は一つの溶岩台地でしたが、激しい海蝕作用により大小異なる二つの島に分割されました(引き潮時には繋がっています)。両島は玄武岩の方山台地であり、高さは約20メートルです。四方を崖に囲まれており、周囲には海蝕溝や海蝕洞がいくつもあります。小鶏善嶼の周囲は筆のように真っ直ぐな柱状玄武岩に囲まれています。

節理がはっきりとしていて、異なる高さの岩柱が緊密に並んでいるため、その様子は「パイプオルガン」のようにも見え、非常に壮観です。毎年夏になると、各種アジサシが飛び交い、玄武岩の光景に色を添えます。

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