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植物生態

植物生態

澎湖爵床(キツネノマゴ科)

澎湖群島は亜熱帯海島型気候に属し、年平均降雨量は約1000ミリですが、表土が薄いために保水は容易ではありません。そして冬には東北の季節風が強く、塩分を含んだ霧を降らせるために、植物にとって厳しい環境にあります。

 

澎湖の植物の大多数は外来種ですが、澎湖決明(マメ科)・澎湖爵床(キツネノマゴ科)・澎湖大豆・澎湖金午時花(アオイ科)などの澎湖の名前を冠した原生植物も少なくありません。

 

塩分や乾燥との闘いから、澎湖の植物の葉は自然に厚くなるか、退化して肉質・革質状になり、厚い毛で覆われたりしています。水分の蒸発を防ぐためで す。澎湖の各種植物は自然環境に適応して、浜水菜(ムラサキカッコウアザミ)・台湾浜藜(アオイ科)・馬歯莧(スベリヒユ)のように低く這うことが多く、 蔓や根が非常に発達しています。

 

また、海辺の砂地は高温で乾燥し、砂粒が風とともに移動しやすく、植物が埋まったり、根がむき出しになったりすることもあります。よく見られる植物 としては馬鞍藤(グンバイヒルガオ)・浜刀豆(ハマナタマメ)・蔓荊(ミツバハマゴウ)などがあります。これらは多年生の宿根性植物で、土に接するところ に根が生えるという特殊な機能をもっています。

澎湖大豆

澎湖大豆

澎湖決明(マメ科)

澎湖決明(マメ科)

澎湖金午時花(アオイ科)

澎湖金午時花(アオイ科)

馬鞍藤

十六世に持ち込まれた団扇仙人掌(ウチワサボテン)・龍舌蘭、日本時代に緑化のために導 入された銀合歓(ギンネム)、澎湖県花に指定されている天人菊、これらはすべて外来種ですが、いまではすっかり澎湖の環境に溶け込んでいます。そのほか蘆 薈(アロエ)・猩猩草(ショウジョウソウ)・大花咸豊草(コセンダングサ)・布袋蓮(ホテイアオイ)もありますが、そのうち団扇仙人掌・銀合歓・大花咸豊 草・天人菊・龍舌蘭はすでに澎湖で優勢な植物群で、苦檻藍(ハマジンチョウ)・水燭(コガマ)・白花馬鞍藤(シロハナグンバイヒルガオ)などは希少種で す。

通梁古榕

ガジュマルは澎湖の県樹で、耐塩・耐乾の特性から並木としてよくみられます。なかでも「通梁古榕」はとくに壮観です。また木麻黄(モクマオウ)・無葉檉柳(ギョリュウ)・南洋杉も街路樹や造林に利用されています。

 

澎湖植物群は、例えば天人菊は蚊取り線香、銀合歓は緑化のほかに燃料、風茹草・蘆薈・台湾浜藜は食用あるいは薬用というふうに大いに利用されていま す。経済作物としては、ピーナッツ・サツマイモ・コウリャン・トウモロコシ・澎湖ヘチマなどがよく知られています。さらに、嘉宝瓜・ヤマモモ・メロン・紅 龍(菱)瓜などが澎湖の代表的なウリ科植物です。

龍舌蘭

龍舌蘭

天人菊

天人菊

団扇仙人掌

団扇仙人掌

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