海で暮らす澎湖の人々にとって、海の女神である媽祖は特別な存在です。澎湖天后宮は台湾で最も早く建立された媽祖廟で、現在「国家一級古蹟」に指定されています。福建沿海の漁民は航海の守護神として、故郷から媽祖を分霊し、媽祖廟を立てました。400年あまりに亘って澎湖列島の人々を守ってきた媽祖廟ですが、当時は「娘媽宮」と呼ばれ、渡し船乗り場も「媽祖宮」もしくは略して「媽宮」と呼ばれていました。1902年に「媽宮」は同じ発音である「馬公」に改められ、これが今日の馬公という地名の由来になっています。この廟は馬公のランドマークとなっているだけでなく、澎湖の人々における精神的なシンボルでもあります。
天后宮は長い歴史を有し、その建築もとても特徴的です。例えば、前殿(山川殿)、正殿、後殿に分かれており、左右それぞれに一匹の龍がおり、山川殿には廟の名前が書かれた額がかけられており、三匹の龍が守っています。かなり昔に建てられた廟なので、色あせてはいますが、当時の精巧な建築技術をそこかしこに見ることができます。柱の上には獅子やウサギのほか、「趙子龍單騎救主」という物語を題材にした人物の彫刻が見られます。正殿上の彫刻は水墨画や花鳥画を題材にしたもので、富貴と幸福を表しています。
アクセス情報
23°33'52.85304"N 119°33'50.49432"E