当地は昔、珊瑚を採集で繁栄したとても裕福な町です。漁港の近くには別荘がたくさんあり、まるで香港のような風情が漂っており、「小香港」とも呼ばれています。

望安島からわずか１カイリの距離にある将軍澳嶼は、面積は望安島の五分の一ほどしかありませんが、望安本島とほぼ同じくらいの人口を抱えています。将軍澳嶼の住民は、かつてはサンゴや文石の収集で富を成し、立派な家屋が立ち並ぶ様子が他の島々の港の風情と異なることから、「リトル香港」や「リトル高雄」と呼ばれたこともありました。現在、住民の多くは漁業で生計を立てており、島の西側にある将軍廟と永安宮、そして天后宮は村民の信仰の中心です。これら三つの装飾と碑文も修復されており、この島の発展と衰退の歴史を映し出しています。

将軍澳嶼の周辺には、いくつもの島があります。東側の海岸には船の帆の形に似ていることから「船帆嶼」と呼ばれる島があり、干潮の時には将軍澳嶼と繋がる典型的なであることから、「将門嶼」とも呼ばれています。このほかに、無人島の「忘憂島」では、サンゴ礁の生態の美しさで有名なシュノーケリング・スポット、金瓜仔礁の海底の世界を探索できるほか、人里離れた無人島でのキャンプも体験できます。将軍澳嶼から船で南に向かうと、生態保護区の頭巾嶼に行くことができます。ここは半分の黄色い火山角礫岩と残る半分の黒い玄武岩がおりなす独特の景観で、海蝕台地には数多くの潮の水たまりがあり、多くの潮間帯の生物が生息しています。潮溜まりの生態は、満潮時になると海水に覆われて変わってしまいます。このほか、島では数多くのさまざまな種類のアジサシが生息しており、オニアジサシやマミジロアジサシなどの渡り鳥はいずれもここで休みます。島の外を巡航して、遠くからアジサシを観察することができます。