吉貝嶼の埠頭エリアに来ると、この二つの不思議な建築物が目に入ります。港の東側と西側にある大型のおりんと木魚の石塔は、吉貝を守るために建てられた石敢当で、通常は「東鐘西叩」と呼ばれています。
澎湖の石敢当は、金門の風獅爺のように、島で暮らす住民の間に根付いた独特の信仰です。この島はを海に囲まれ、冬になると半年にわたって北東からの季節風に吹かれ、しかも土壌が痩せて農耕に不向きな土地であるなど、先天的な条件に恵まれていません。加えて、かつては疫病が流行した時、人々は邪悪なものの祟りだと恐れ、平安を祈ったことから、澎湖の石敢当文化が生まれたと言われています。石敢当には塔や石碑、あるいはお札のような形式のものなどがあり、通常は周りが海辺や山の斜面に囲まれたところや、道が突き当たるところなどに置かれ、澎湖の人々の生活の信仰であるばかりでなく、地元の文化の特色でもあります。
吉貝嶼の港には、二つの石敢当があります。伝説によりますと、観音菩薩が夢枕に立ち、これを作って村民を守ると、この地は繁栄すると、村の長老に建造を命じたと言われています。港の東側の「龍馬」と呼ばれる場所には、黄色いおりんの形をした石塔があります。西側には赤い木魚の石塔があり、それぞれ石塔の傍らの岩の上には「東方龍馬壮山河」と「西境海雲飛日月」の詞の文句が書かれており、吉貝の精神が示されています。二つの石敢当は、ちょうど島の観音寺にある「暮鼓」と「晨鐘」に対応しており、吉貝の重要な文化資産になっています。
アクセス情報
23°44'29.83200"N 119°37'9.30000"E