吉貝嶼といえば、「イルカ湾の恋人」というアイドルドラマを連想する人も多いことでしょう。しかし、吉貝嶼は、西南方向にある吉貝沙尾でも知られています。沙尾とは「沙嘴(さし)」のことを意味し、海の堆積地形の一種です。海流によって堆積されたもので、サンゴや貝殻の屑が砂状になって沈積し、さまざまな堆積地形が形成されます。西南方のビーチは、西崁山の東南方向に向かって伸びており、ビーチの最果ての箇所は、海の中に差し込むの地形となっています。吉貝沙尾の長さはおよそ800メートル、幅は200メートルで、岸沿いに流れる方向が季節風の風向きによって変わるため、沙尾の形状と大きさもこれによって変化し、自然のカーブが生まれるのです。吉貝沙尾では金色の砂がみられることから、「黄金沙嘴」とも呼ばれています。ここからは、日の出と日の入りを鑑賞することもできます。
沙尾に近い西崁山は、もともとは独立した玄武岩の岩礁でした。それが、サンゴの屑が長期間堆積して陸繋島が形成され、吉貝本島と繋がってできました。吉貝嶼の最高点からは、遠く目斗嶼や姑婆嶼、鉄砧嶼を望むことができ、干潮時には周辺にある石滬や潮間帯もみることができます。
吉貝嶼は、毎年春と秋になると南北を往復する渡り鳥にとっての最高の休息の場となります。渡り鳥たちは、ここでエサを食べて体力を補充してから、移動を続けます。2013年の春には、一日3000羽あまりのアカハラダカがここ吉貝を経由していることが確認されており、そのほかの珍しい鳥類もしばしば吉貝嶼に姿を見せています。
アクセス情報
23°43'40.51200"N 119°36'11.37600"E