小門嶼の周りは海に囲まれており、長期にわたって波と潮に洗われてきたことで、さまざまな海蝕地形が生まれました。このうち鯨の洞窟を意味する「鯨魚洞」は澎湖でよく見かけられる海蝕ゲートです。波に侵食されるうちに、海の崖に穴が開いたことでできたことから、海蝕ゲートと呼ばれています。洞窟の中に入れば、波濤の音を聞くことができます。
このほかに、環島歩道脇の岩壁に露出して見える岩層は、上から下にかけて、矽質の玄武岩が柱状になっており、そこから泥煤層、粉砂岩層と硫黄層と続きます。ここはまさに、「火山口湖の遺跡」なのです。鯨魚洞と同じく、珍しい特性を具えており、海蝕が進んでいくプロセスを知る上で最高の教材であることから、小門の天然記念物となっています。
小門地区には、このほかに有名な「小門嶼層」もあります。ここは、地質が年代ごとに上下二層にわかれており、上層は生物の遺骸や殻からできた殼灰岩、石英の粒子や有孔虫の遺骸などによって構成されています。下層は鉄質の石英砂岩や砂泥岩が互いに交じったもので、風化を経たことで岩層として露出するようになりました。このような地質の特色は、小門地区で特にはっきりと見て取れることから、「小門嶼層」と名付けられました。小門嶼ならではの、珍しい地質景観です。
アクセス情報
23°36'19.65600"N 119°30'49.21200"E