目の前の黄金色の小さなビーチが、西嶼の秘境、夢幻ビーチです。もともとは網垵ビーチと呼ばれる小さくて美しいビーチで、およそ200メートルに渡って広がっています。夢幻ビーチという呼び名は、西嶼における最高の日没鑑賞のスポットであるからだけでなく、干潮の時にだけ姿を見せることに因みます。いつもは海の中に沈んでいるので、干潮の時間を確認した上で見に行きましょう。

夢幻ビーチからほど近い場所にある小池角コミュニティには、歴史感あふれる竹仔街と呼ばれる通りがあり、かつては「開嶼第一街」とも呼ばれていました。およそ300メートルの街道は、日本統治時代にとても栄え、洋装店、鍛冶屋、ケーキ屋などが軒を連ねました。竹仔街が最も繁盛していた時代、街道の端と端の間には24の三合院がありました。しかし町が沒落して、人口が流出した後、老家屋のほとんどが空き家となり、かつての賑わいはもう見られません。台湾の祖国復帰当時、反共救国軍がここ竹仔街に進駐し、福利社などの店もここで営業しましたが、救国軍が離れた後は荒廃しました。129号の門楣の上にはかすれた国章が残っています。今日では名称の由来となった竹林も失われており、人の世の諸行無常を改めて感じます。