かつて、北寮とともに「亀壁港社」と呼ばれた南寮は、それぞれ別の村として独立した後、内陸に近いため農業が栄え、海に近い北寮では漁業が栄えました。澎湖全体の農業は決して盛んではなく、南寮村の人口の多くが移住してゆきました。このため、南寮村には、多くのサンゴ岩を使った伝統的な家屋が残っています。赤い瓦と石壁が最大の特色で、独特な三合院様式の建築は、大家族の時代の集合建築でもあります。なかでも、「許返古厝」は特に代表的なものとして知られます。
許返古厝は、清朝時代の1851年から1861年にかけて建てられました。「一落四櫸頭」と呼ばれる三つの部屋を持つの左右にそれぞれ二部屋を持つ家が配されたスタイルで、母屋には大きな天井があります。建物の主体はサンゴ岩を中心とした壁面で構成された昔ながらの澎湖の家屋で、何度かの改修を経た後、今も保存されています。建物には、道教の法師の宗教的な背景と芸術的な価値が認められることから、澎湖県文化局によって歴史的建築として登録されました。
近年、芸術家たちが浮き球など漁業の道具を素材に作品を造り出したり、動物の顔をモチーフにした作品を生み出していることがしられるようになり、多くの行楽客がここを訪れるようになりました。浮き球で造られたインスタレーションが立ち並ぶ、サンゴ岩の建築物に囲まれた路地裏は、行楽客の人気スポットになっています。
アクセス情報
23°35'7.04400"N 119°40'7.50000"E