望夫石には物悲しくも美しい伝説があります。七美人塚付近にはある仲のよい夫婦が住んでいました。夫は毎朝早くから漁に出かけ、夜遅く帰宅しました。妻は毎日夕方になると海辺へ出かけ、夫の帰りを待つのが習慣となっていました。ある日、妻がいつものように夫を待っていると、突然突風が吹き始め、海が荒れて夫は戻らず、妻は眠れない一夜を過ごしました。翌日、妻は月鯉港を訪れ、最南端の海辺で愛する夫が無事に戻ってくるように祈りましたが夫が戻らない日が続きました。彼女は周囲忠告を聞かず、ただひたすら海辺で待ち続けました。そして、ついに三日目の夜、戻らない妻を心配した周囲の人たちが彼女を捜し出した時には既に遅し、彼女は月鯉湾の最南端の海辺で倒れてしまいました。。その後何年か後、不思議なことに海辺の岩石が人の形に変化してきました。しかも奇妙なことにまるで妊婦のように小腹が突き出ているのです。人々はこれを夫の帰りを待ち続けた妻の化身だと言うようになりました。望夫石の上からは、往来する船や鳥を眺めることができ、下にある小さなコンクリートの橋に波がぶつかる様子もまた美しいです。また望夫石は七美における重要なつり場の一つでもあります。
アクセス情報
23°11'14.82000"N 119°25'48.36000"E