澎湖では、外垵の漁火は元宵節のメインイベントで、地元の信仰の中心である温王宮が主なイベント会場となります。ランタンが橋いっぱいにかけられた平安橋では、ポエ占いと福亀祭り、王爺祭りなど様々な行事が行われますが、最も注目を集めるのが外垵の漁火です。百艘近くの漁船が漁港に集まり、夜になると船の上に明かりを灯します。まるで海上のランタンフェスティバルのようで、希望への光明と子宝に恵まれる寓意を象徴しています。

外垵の漁火を鑑賞するベストポジションは、西三仙塔です。昼間にこの山頂から下を眺めると、ギリシャの著名な景勝地・サントリーニ島に似た景観であることから「澎湖のミニギリシャ」とも呼ばれています。山の上に立つ西三仙塔は、魔よけのために建てられたものです。外垵村では、東西二つの丘が向き合っており、東側の丘は俗称「男左」、西側は「女右」と呼ばれてきました。外垵村は漁業が中心で、男性は海で危険な漁に従事しています。東側が低いことから、温王爺の指示に従って東西の山頂にそれぞれ三つの石塔を建て、男性の寿命を延ばせたとすることで、「夫婦共に白髪の生えるまで」の願いを表しています。

外垵にはこのほかに、「餌砲」と呼ばれる偽の大砲があります。これは第二次世界大戦の前に、日本軍が米軍をおびき寄せるため、セメントで造ったもので、普段は目にすることの少ない軍事施設です。