南方四島の中でも、東嶼坪嶼は澎湖火山の溶岩が形成した島嶼で、玄武岩の卓状台地に属します。島では至る所で玄武岩の景観が見られるほか、東岸と北岸では海蝕溝や海蝕洞、あるいは海蝕柱などの地形が見られます。南岸と西岸にはサンゴの屑でできた砂や小石の広がる海岸があり、それ以外はすべて険しい柱状玄武岩の崖に囲まれています。西南側の埠頭の周辺には、火山角礫岩と岩脈が組み合わさってできた岩の塊が見られ、地元の人々から「塔仔」と呼ばれています。
東嶼坪嶼は、南北の二つのブロックが組み合わさってできたもので、通常は「前山」と「後山」と呼ばれています。北方の陸地が後山で、ここでは数多くの菜宅の遺跡を目にすることができます。このほかに、地勢を利用してつくられた棚田は、澎湖ではあまり見かけない景観です。前後の山の間にある低くて平らな谷は、「沙溝仔」といいます。この地区に集落が集中しており、建物は港付近より、南から北にかけて、丘をバックに伸びています。ここでは、金龍塔と池府塔の二つの石塔が島を守るために建てられています。
前山と後山に沿って環状歩道を進み、池府塔に通じる海浜歩道を行けば、東嶼坪港の横にそびえる「前山」に到着します。ここからは様々な角度から、島の自然と文化、景観を見ることができます。近くの海域は大量のサンゴなど生態に恵まれており、近年では、海底のラベンダーとも呼ばれるムラサキシカツノサンゴの、幻想的な光景が広がっているスポットとして知られるようになっています。
アクセス情報
23°15'34.99200"N 119°31'0.01200"E