交通部観光署澎湖国家風景区管理処（以下、澎管処）は、2025年10月12日に「サステナブル×菊島：海洋サステナブル観光フォーラム＆グリーンマーケット」を開催しました。フォーラムとマーケットの二本立てで行われた本イベントには、国内の産官学界や地元事業者が経験と知見を共有。屋外にはサステナブルな理念を実践する約30の特色あるブースが並び、延べ700人近い来場者でにぎわいました。澎湖が海洋保全と持続可能な観光に力を注いでいることを広く発信する機会となりました。

フォーラムでは、海洋委員会海洋保育署の陸暁筠署長が「海洋保全と生態系復元」をテーマに登壇し、台湾における海洋資源保護の取り組みを紹介しました。国立澎湖科技大学の胡俊傑教授は「望安海洋生態旅遊区の推進成果」を発表し、今年度の取り組みと成果を共有。さらに澎湖県共生藻協会の洪国雄氏は「島の知恵とサステナブル観光」をテーマに、ローカルウィズダムと観光の新たな方向性について語りました。事例紹介では、望安海洋生態旅遊区の協力事業者が実践経験を共有しました。東福海上育楽有限公司の陳雅玲氏、島澳七七有限公司の陳満鍠インストラクター、豊穂国際娯楽有限公司の徐華穂氏が、異なる立場から「望安海洋生態旅行」の取り組み事例を紹介。海洋教育、サンゴの再生、エコツーリズムを組み合わせ、体験型プログラムとして展開している様子を伝えました。

また、大慶旅行の李桂棻代表は「旅行者から守り手へ～海洋文化のDNAを読み解き、持続可能な観光の新たな可能性を創造する」をテーマに講演し、旅行者が消費者から環境の守護者へと意識を変えることの大切さを呼びかけました。原森旅行社の林純如代表は「サステナブルツーリズムのデザイン思考」をテーマに、地元の小規模農家や環境にやさしい農産物を支援しながら、生態教育を取り入れたツーリズムモデルを紹介。旅行を通じて台湾の自然の美しさをより深く感じてもらえるよう取り組んでいることを語りました。

同時開催の「グリーンマーケット」は、来場者がサステナブルなライフスタイルを体験できる注目の企画となりました。会場には、環境に配慮したサステナブル・フレンドリーな店舗や団体が出店し、地元の特色あるグルメや、手作り工芸品、環境教育の展示などを展開。また、銀合歓（ギンゴウカン/ギンネム）で作られた「サステナブルコイン」を導入し、従来の食券の代わりにマーケット内で商品と交換できる仕組みを採用しました。来場者は自分のニーズに合わせて自由に商品を選べるようになり、紙食券の廃棄や食品ロスの削減にもつながりました。

澎管処は、「今回のイベントをきっかけに、サステナブルの理念が人々の日常の消費や旅の体験の中に根づいていくことを願っています」と述べました。今後も澎湖のサステナブル観光を継続的に推進し、より多くの地元事業者や旅行者と共に、手を携えて環境にやさしく、海を守り、持続可能な未来へとつながる澎湖を築いていきます。