西嶼郷の竹湾村はちょうどいい水深と穏やかな水流の港で、主に漁業が営まれてきました。むかしは、澎湖における漁船の製造基地として、最盛期には七から八箇所の造船所がありました。しかし漁業の衰退に伴い、造船所もさびれてしまい、いまでは竹湾にある一か所しか営業していません。竹湾の漁業の型態も変わってしまい、風や波が穏やかで、海域が広いことから、1975年には箱網養殖の実験海域に選ばれました。箱網養殖は、人工的な魚の飼育方法の一つで、いまはマナガツオやハタ、カキを主に養殖しています。
漁業のほかに、竹湾は年に一度収穫される白膜ピーナッツで有名です。ピーナッツは1月末から2月上旬に植え始め、6月から収穫が始まります。白膜ピーナッツは、初めて収穫されるピーナッツなので、完全に成熟しておらず、独特の食感を楽しむことができます。美食家にも愛されており、竹湾は澎湖で最もおいしいピーナッツの産地として知られるようになりました。
竹湾にはこのほかに、地元の信仰の中心・大義宮があり、主に関公が祀られています。廟の前の広場には、が関公の乗った赤兔馬を巨大な彫像が置かれています。廟のなかの地下室には、咾咕石を積み重ねて造った珊瑚の洞穴画あります。壁面にはさまざまな種類の珊瑚礁が使われ、海底世界に身を置いたような感じになります。大義宮の傍らには、竹湾カニ博物館があり、六百種を越える一千匹あまりのカニの標本のコレクションがあります。その多くはほかでは目にすることのできないもので、見聞を広めることができます。
アクセス情報
23°37'56.74800"N 119°30'49.21200"E