牛心山は赤馬村に位置しており、澎湖の内海を臨む場所にあることから、澎湖の古い地図では、小さな島として描かれていました。しかし、これまでの文献の記録によると、ここは浜辺の丘であることがわかります。牛心山は火山の熔岩が冷卻した後に、長期間の海蝕と風化を経て形成された柱状玄武岩の丘です。その外見が牛の心臓に似ていることから、牛心山と名付けられ、独特の景観から西嶼八景の一つに数えられます。
牛心山の周りは数多くのギンネムで囲まれ、夏になるとテンニンギクの花が咲き乱れます。テンニンギクは澎湖県の花で、アメリカ中部が原産地です。寒さや干ばつに強く、乾燥した灼熱の気候のもとでもよく育ちます。花の色も変化に富んでおり、単色の者に加え、赤と黄色、ピンクと白の二色に彩られたものなど、さらには二重咲きや八重咲きのものなどもあります。澎湖のテンニンギクは、毎年4月から10月にかけて開花します。夏季のシーズン、ぜひテンニンギクをお楽しみください。
テンニンギクを鑑賞した後は、山の下にある牛心湾にも足を延ばしてみましょう。付近の海蝕台地の傍らには、とてもきれいな石滬があります。海岸に近い石滬は内滬と呼び、外海に近いものは外滬と呼びます。言い伝えによりますと、牛心湾の石滬は、もともと内垵の薛氏一族が所有していたもので、娘が赤馬村に嫁いだため、牛心湾の石滬を嫁入り道具として持たせ、赤馬村の村民に贈ったとされます。文字の記録は残されていませんが、百年以上の伝説に彩られた石滬は、歴史的な嫁入り道具だと言えましょう。
アクセス情報
23°34'25.42728"N 119°30'50.62392"E