姑婆嶼は白沙の西北、吉貝嶼の西南に位置しています。玄武岩で構成された方山台地で、南北の長さは約1メートル、澎湖群島で最も大きい無人島です。島は多孔質の玄武岩がむき出しになっており、表面は鉄分を多く含んだ石英砂岩で覆われています。この強烈な対比が、澎湖各島の中でもとりわけ異質な風景を生み出しています。
島には英国船が遭難したときの記念碑が立っています。東側にはシラス漁場、東南には素晴らしい珊瑚群があり、引き潮時にはシュノーケリングを楽しむことができます。北側には海苔の産地があり、風と波の大きい冬場が採集シーズンとなり、毎年旧正月の時期に大規模な海苔採集が行われています。
姑婆嶼という名の由来には非常に興味深いエピソードがあります。言い伝えによると、その昔、ある村に一人の少女がおり、少女には相思相愛の恋人がいました。しかし両親の反対に遭い、別の人と結婚させられそうになり、これに反抗し、絆を証明するべく、家を出て無人島へ去っていったということです。彼女は天と山に誓いを立て、この小島で青春を過ごし、海を眺めていくつもの歳月を過ごし、ついには土へと還っていったのだそうです。少女より若い親族が彼女を捜しに訪れた際に、「姑婆(祖父の姉妹に対しての呼び方)」という呼んで少女を探したことから、この島の名が付けられました。一生涯純愛を貫いた美しい物語はいつしか無人島の伝説となりました。
アクセス情報
23°42'56.52000"N 119°33'22.68000"E