澎湖は冬の天候が悪く、常に強風が吹くことから、住民たちは「石敢当」と呼ばれる石塔を風除けの魔よけとして祀ってきました。鎖港の南北にはそれぞれ石塔があり、北の塔は做子塔、南の塔は做午塔と呼ばれ、二つを合わせた正式な名称は子午宝塔で、澎湖で最も壯観な風除けの塔です。
最初の頃の石塔は七層しかなく、後に石塔が倒れた後、神様の指示に従い九層のものが再建され、今日の大きな塔になりました。外観は九層の円錐形で、黒い玄武岩が積み重ねられ、一段ずつ上って行く階段状のものです。最上部には石碑を配することで、「層を積み重ね、数も積み重ね、九尊の高みに上らせ、幾久しく保つ」の寓意を持たせています。
石塔の近くは海辺で、元々砂が多い場所でした。しかし、長年にわたって強い東北から南向きの季節風に吹かれて失われてしまいました。現地の人々は、「鎖港の山が猪母水に押しやられた」という言い方をしますが、これは鎖港の砂が風に吹かれて南側の山水のビーチにまで行ってしまったことを意味します。このため、地元の住民は風水に対する影響を押さえ、海の砂がこれ以上吹かれてゆかないよう祈るため二つの石塔を建てたのです。
石塔の周りには高い障壁がないことから、地元の住民が海に漁に出た時に位置を把握する指標となっています。石塔のまわりには有名な鎖港漁港と鎖港漁市場があり、収穫を満載した漁船が入港すると、毎日の午前と午後、ここでセリや小売りが行われるので、新鮮な海産物を手に入れることができます。海底の世界を探索してみたい方は、この近くにある杭湾水域レクリエーションエリアで、潜水を通じて澎湖の海域について知ることができます。
アクセス情報
23°31'31.85343"N 119°36'9.15311"E